明けましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願い致します。

皆さん、穏やかな新年をお迎えのことと思います。新しい年の幕開けと同時に昨年を思い返すのもどうかと思いますが、改めてのパナデリアの2006年を振り返ってみると、本当にあっというまの一年、怒涛のような一年、そして至福の一年だったなぁと思います。
新しい年がジェットコースターのように走り出す前に、そんなパナデリアの2006年をちょっと振り返ってみたいと思います。しかし、10大ニュースとはよく聞くけど、8大ニュースってのは、めずらしい? 






パナデリアの2006年を語るときに、絶対外せないのが、1月に開催された伊勢丹「サロン・ド・ショコラ」。パナデリアもお手伝いをさせていただき、会報誌も「サロン・ド・ショコラ特集号」として発行。会場はもちろん、いろいろなところで販売することができました。前夜祭に始まり、会期中パナデリアはいつも会場内に。たくさんのパティシエの皆さんとも交流を持て、本当に楽しい数日間を過ごしました。そしてその中でも一番の想い出は、あのプラリュー氏のセミナーを開催させていただいたこと。プラリュー氏はとっても紳士的で、でもとってもユーモアにあふれたすごく魅力的な人でした。大人気のセミナーも無事終わり、その後の懇親会には、なんとプラリュー氏だけでなく、フェルベール女史、エヴァン氏はじめ、たくさんのパティシエの方が参加してくれて、パナ自身もびっくりのものすごーく贅沢な懇親会となりました。そんなこんなで、いい想い出がたくさんできた2006年の「サロン・ド・ショコラ」でした。

■サロン・ド・ショコラ特集


2005年パリの「サロン・ド・ショコラ」を訪ねることから、この会報は始まりました
フランソワ・プラリュ氏によるパナデリアのセミナー。大成功で幕を閉じました
2007年、プラリュから新しいタブレットが登場!


懇親会では土屋シェフが通訳に。なんて贅沢な話でしょう





2006年、パナデリアの講習会は、ものすごく充実していました。志賀勝栄シェフの「国産小麦の可能性」講習会、横溝春雄シェフの「ウィーン伝統菓子」の講習会、そして西原金蔵シェフの講習会などなど・・・、とにかく来ていただくだけでも涙が出るほどありがたいのに、本当に素敵な楽しい講習会にしていただき、生徒さんだけでなくパナデリアも大感激!でした。どのシェフからも、この仕事を愛して、そして誇りに思っていることが伝わってきて、とにかく、とにかく感動の連続でした。技術ばかりでなく、たくさんの大切なことを教えていただきました。本当にありがとうございました!

■「国産小麦の可能性」講習会

■「ウィーン伝統菓子」講習会

その他、会報誌などに掲載していますので、そちらもご覧ください。



志賀シェフが、横溝シェフが、西原シェフが!感動の連続です





2006年、この年かの「ルレ・デセール協会」の設立25周年を記念する定例会が、日本で開催されました。しかも、会場が「ホテル・ニュー・オータニ」と「明治記念館」と2回に分けての開催です。どちらかに参加させていただけるだけでも栄誉なことなのに、パナデリアはなんと2回とも参加させていただき、とても幸せな時間を過ごさせていただきました。たくさんの有名なパティシエの方たちを目のあたりに、ドキドキしたり、彼らのお菓子を食べてワクワクしたり、とても楽しかったです。

■「ルレ・デセール協会」設立25周年



ニューオータニの会場は白で統一。ピエロの姿のパティシエたちの登場に会場内は楽しさと幸せで満ち溢れます
明治記念館では「訪日歓迎イベント」として「和を伝えるセミナー」が開催されました



そうそう、パナデリアの2006年を語るのに、これまた外せないのが「石窯パン教室」。パナデリアとしては始めての連続(?)の講習会です。基本コース4回、応用コース4回と、ほとんど一年かけてのお教室は、始めた当初は不安がいっぱいでしたが、終わった今となっては、いい想い出ばかり。講師の加藤先生も本当にいい先生で、勉強になるばかりでなく、笑いにあふれたとても充実したクラスだったと思います。「パンステージ プロローグ」の山本シェフ、「ベケライ ダンケ」の杉山シェフの特別講義などもあり、かなり贅沢なお教室でもありました。生徒さんも最初の頃は、初めての方、経験のある方と腕前もバラバラだったし、正直気持ちもバラバラかも?・・・という心配もあったのですが、途中からみんなの中に一体感が生まれ、最後には本当にみんなが楽しく為になる時間を共有できたなと、とても満足しています。生徒さんたちもきっと満足してくれたのでは? 今年もまた開催するかは、現在検討中です。もし開催が決まったら、また新しい生徒さんと出会えるのが楽しみです。

■パナデリア イベント





加藤先生が教えてくれるのは、パンを作る技術、いいパン屋さんになる心構え、
そしてちょっと楽しいジョークの数々




石窯パン教室の魅力のひとつが、この豪華ランチ



2006年夏の想い出は、なんといっても志賀シェフと行った「北海道小麦視察旅行」。名目はとってもまじめだし、実際に農業試験場でお話を伺ったり、江別製粉で見学をさせていただいたり勉強モードたっぷりだったんだけど、今振り返ってみると思い出すのは、笑える場面ばかり。しかもその時、必ず志賀シェフの笑い顔が浮かびます。こうやって考えると、パナデリアの2006年は、なんだか「志賀シェフ年」だったなぁ。待望の志賀シェフの新しいお店「シニフィアン・シニフィエ」もオープンして、うれしかったし。できれば今年もまた志賀シェフと北海道に小麦視察に行きたいけど、もうシェフは忙しくてダメだろうなぁ。

■「北海道小麦視察旅行」




農業試験場ではみんなまじめな顔。江別製粉でもみんなまじめな顔




志賀さんと食べたソフトクリームは極上の味。
そういえば志賀シェフ、この旅行でいくつソフトクリームを食べたんだろう(笑)



皆さんはエクアドルがどこにあるか知っていますか?パナデリアスタッフKは、昨年10月にカカオ農園を訪ねる旅で、はるか遠くエクアドルまで行ってきました。この様子はパナデリアの会報の最新号でご紹介しているので、会員の方はご存知ですよね?このエクアドル、本当に遠いところで、最短の時間を選んだにも関わらず、着くまでにまるまる一日かかってしまいます。航空会社によっては、40時間もかかるところもあるみたい。そんな命がけの(どこが?)旅で、出会ったカカオ農園では、本当に勉強になることばかり。
その中でも一番印象的だったのは、農民とのランチで出たオーガニックでしかも完熟フルーツのおいしさ。それは、スタッフKの長い人生の中でも5本の指に入るほどのおいしさだったらしい。そして次に印象に残ったのが、やはり農民たちと同席したパーティでの一幕。そこにはお客様の分のビールしか用意されていなかったそう。数に限りがあるビール、自分たちの分はなくても、とにかく客をもてなそうというその気持ち。ありがたくもあり、本当に大切なことを教えてもらった気がしたそうです。そして三つ目に印象に残ったことは(本当はこれが一番大事かも)、カカオの実が本当においしいフルーツだったということ。
農家は決して裕福ではなく、多分彼ら自身はおいしいチョコレートなんて滅多に口にできない人たちのはず、でもこの人たちが一生懸命カカオを育ててくれるから、遠く日本でも私たちがおいしいチョコレートが食べられるんだと思うと、感謝しながらいただかないといけなかなぁと、しみじみ思いました。



少し小ぶりのこのふくよかな実はアリバ種
インカの血を引く現地の農民はたくましい
カカオポッドの中は、ヨーグルトのような香りと酸味、ねっとりした甘みが広がります。
エクアドルというと、カカオとバナナ、そしてこのイグアナ。あのガラパゴス諸島はエクアドルにあるって知ってました?



ここで少しミーハーな話題を。11月にパナスタッフKがテレビ出演をしました。テレビは初めてじゃないんだけど、あんなに長い時間出たのは初めてだから、これもパナデリアのニュースのひとつにしようっと!見てくださった方も多いと思うけど、出演した番組はテレビ東京系の「レディス4」という情報番組。そのパン特集でパナデリアがパン屋さん取材とスタジオ出演をさせていただきました。それにしても、司会の大島智子さんの「パン好きの人ってマイペースですね」という感想。あれは絶対ほめられたわけではないと思うけど、確かに私たちってマイペースかも? でも、2007年もマイペースで行くぞ!みていろよ!(だから、何を?)

楽屋の入り口には名前が。はっはっは、タレントルームだぜい!
スケジュール表を渡される。しかし、スケジュール表も台本も本番が始まる寸前に渡されて、何の意味があるの?
テレビ局から、勝手に写真使っちゃダメって言われているから、載せられるのはこの写真だけ



2006年を締めくくる重大ニュースは、なんといってもクリスマスシーズンのパリとアルザス旅行。帰国後の「アルザスとパリのお菓子を楽しむ会」を控えての旅行だったので、とにかくひたすら、買って買って買いまくる! エールフランスの荷物重量規制と戦って戦って戦いまくる旅でした。(エールフランスには負けたけど(涙))
でもアルザスは本当にきれいなところでした。クリスマスシーズンも素敵だけど、きっと緑の季節も美しいだろうなぁと、絶対もう一度行くことを心に誓いました。

■アルザスとパリのノエル

でこぼこ軍団、パナデリア。これから買出しが始まります・・・のわりには、もうこの気が抜けきった顔は何?


街中がおとぎの国のよう。クリスマスの飾りつけもかわいらしい


見よ、この勇姿を!4人分とは思えない荷物。そして、その中にはこんな戦利品の数々が








最近のチョコレートの流行は「カカオ分○○%」とカカオの分量で分けたもの。そしてどうやらタブレット(板チョコ)がはやってきていることは、皆さんも気がついているはず。その中でもパナデリアが注目しているのは、ミルクチョコレート。それもお子様チックなものではなく、カカオの香りも活かした大人のミルクチョコレートです。これは、今までありそうでなかったものです。昨年皆さんにも紹介させていただいた、ボナーの「Surabaya」は、その代表的なもの。残念ながら日本では手に入らないけど、これは本当においしいので、機会があったら絶対食べてみて! マッチポンプというか、フレンチローストのエスプレッソにたっぷりミルクだけを注いで飲む感じです。これからは、甘いだけでなくおいしいミルクで作った本物のミルクチョコレートが登場してくるはずです。



ボナー社の名作「Surabaya」



小麦本来の美味しさを楽しめる、ゆっくりと醗酵をとったパン。もちろんこれらは、今までも深く静かに浸透していたものだけど、これからは、もっとこういうパンが主流になってくるのでは?と思います。バゲット、リュスティック。志賀シェフが去年パナデリアの講習会で作ってくれたパンのように、いつまでもじっくり味わえるパン。「低温長時間醗酵」「国産小麦」なんて難しそうな感じですが、日本の土の味と、醗酵本来の美味しさ。これに勝てる味はないと思います。かけた時間の長さだけ、そのパンの味わいは長持ちします。冷凍パンやイーストばんばんでアッというまに出来たパンは、同じだけアッというまに劣化します。そのことにもっと多くの人たちが気づく時代が、もうそこまで来ているはずです。



講習会で志賀シェフが作ってくれた、
国産小麦「ジャパネスク」のバゲット



今まで、探し続けているけどなかなか本物に出会えない味。それが、「バニラ」味。
本当に美味しいエクレア。バニラの効いたパティシェール。簡単なようで一番難しい味わいだと思いませんか。昨年、巨匠ピエール・エルメ氏にバニラについてインタビューした時「バニラをうまく活かしたシンプルなお菓子ほど難しいものはない」との名言を聞いて、パナデリアも更にバニラに対する執着が強くなりました。
バニラアイスクリーム。 クレームパティシェール。 とにかくバニラの香りはエレガントで、お菓子の原点ともいえる風味のはず。ブームになるかどうかはわからないけど、パナデリアは今年、究極のバニラ味を探し続けます! おっと、そんなことを言っていたら、かの「ピエール・エルメ パリ」で年明け早々の「フェティッシュ」のテーマが「ヴァニーユ」だそう。これは早速行ってみなくっちゃ!



エルメの名品「エクレア・ヴァニーユ」。
ぜひ一度お試しあれ