文・写真 やぎあすか



幼い頃、漠然と思い描いていた憧れの "ヨーロッパ"。
どこか西の涯てのほうに漂う甘い霧。 その向こうから、夢のような物語や音楽、見たこともないお菓子や動物たちがやってくるように感じていました。
城壁に囲まれた石畳の街と、切り立った尖塔をもつお城、その裏手には深い森。太陽のような黄金の髪の王女さまは、窓辺で小鳥とお喋りをするうちに秘密の鍵の在処を知ったり、泉のほとりで蛙と運命的な出逢いを果たしたり。王子さまのほうは森へ狩りに出かけ、湖畔で白鳥に会ったり、荊で覆われたお城を救ったりと大忙し・・・ とまあ、そんなイメージです。
この極私的"ヨーロッパ"は、私の感覚形成において、川へ洗濯&山に柴刈りの老夫婦にもひけをとらない確固たる役割を担っています。
とはいえ、いかんせん憧れと妄想の集合体。 現実に訪ねることまでは思い及びませんでした。

しかし時を経て、仕事や生活で現実のヨーロッパに触れるにつれ、何処にもないはずの私の"ヨーロッパ"に限りなく近いものが南ドイツあたりに存在しそうな予感がめばえてきたのです・・。


2006年秋、こんなわけで、南ドイツからオーストリアにかけての、お城と森と川とお菓子たっぷりの旅に出ることになりました。































持って帰れないからこそ絶対に味わって帰りたい、乳製品。
その主食としての存在の大きさを体感する旅でした!

機能と美意識と遊び心がつまった、街角のアート。



寒い国の料理らしい、濃い味のものがたくさん。
皇帝の王冠をかたどったともいわれる、毎日の食事パン。

各地の銘菓、有名なあれから流行りの兆しをみせているそれまで。