Milano / Firenze / Roma





新ローマ法王も決まり、平和を取り戻したローマ。
実は今回の旅行は、ローマ法王がお亡くなった直後。一体どうなることかと危ぶまれていたローマ入り(ヴァチカン市国はローマに隣接する独立国です)でしたが、到着時には葬儀も終わっていたせいか、表面上は平静を取り戻しているように見えました。とはいっても、次の法王を決めるコンクラーベのためシスティーナ礼拝堂の門は閉ざされ、急なミサのためサン・ピエトロ寺院への入場がストップになるなど、ヴァチカン内部の悲しみと慌しさが伝わってくる場面も。

街の中からも悲しみが伝わってきます


コロッセオのすぐ横を車が走る
風景はどこか不思議です

さて、本体のローマはというと「ローマは一日にしてならず」、「すべての道はローマに通ず」などのことわざからでも知られる通り、有史以来欠くことのできない重要な場所でした。ミラノが新と旧の共存、フィレンツェが古きよき栄華の町ならば、ローマは人類の歴史全てを包括しているかのような大らかな場所。2000年も前(日本では弥生時代!)に作られたコロッセオやその他の遺跡群が、当然のように現代の風景と共存している姿が印象的でした。

「グラディエーター」の映画でもお馴染みのコロッセオですが、建物の欠けている部分は天災などによるものではなく、なんとヴァチカンを取り巻く柱の建立のために持っていかれてしまったのだとか。あまりにたくさんの大理石をはがしてしまったため、見かねた法王が中止を命じ、それ以後コロッセオは教会となり、現在は年に一度ミサが行われているのだそうです。




遺跡の住人はこの方!
チーズを美味しそうに食べています

そのコロッセオのそばにはなんと約2000年以上も前に作られた競馬場跡も残っており、今では公園となってジョギングや散策を楽しむ人の憩いの場所となっています。
人類の歴史そのもののようなローマの町。ここから紅に染まる夕暮れの空を眺めていると、毎日、そして人間1人の人生といった時間を超越した、地球の歴史の大きな流れを感じてしまいます。

競馬場から遺跡を眺めて



● SHOP紹介 1 ●

素材へのこだわりに定評のあるジェラートショップ。
たくさんのガイドブックに載っているので観光客ばかりかと思いきや、店内は地元のイタリア人がいっぱい!仕事の合間に訪れたらしきスーツ姿のビジネスマン3人組が、「おまえは何味にした?」と真剣かつ無邪気な表情を見せていたのが印象的でした。
私がオーダーしたのは、チョコレート系とレモンクリーム。
素材の美味しさはもちろんですが、チョコレートの方はミルクベースにチョコを刻んだものとカカオニブを細かくしたものが入った変り種。2種類の異なる苦味と食感が楽しめ、新鮮なおいしさでした!

<Shop Data>
San Crispino
サン・クリスピーノ
Via della Panetteria,42
06-6793924
営業時間:12:00〜24:30(金土〜0:30)
定休日:火曜日
※奥に座れるスペースがあります

手前はミルクベースのチョコチップ、後ろはレモンクリーム。乳風味がさらっと軽く、後味の軽いジェラートです



● SHOP紹介 2 ●

「オレンジ風味のラビオリ」に惹かれて入ったのがここ。トレビの泉に近くにありながら、小道にあるためか、落ちついた雰囲気です。トラットリアなので価格もリーズナブル!安心してゆっくりと食事が楽しめるおすすめの一軒です。
お天気の良い日には、通り沿いのテーブルも素敵。


<Shop Data>
Al Piccolo Arancio
アル・ピッコロ・アランチョ
Vicolo Scanderbeg, 112
06-6786139
営業時間:12:00〜15:30/19:00〜24:00
定休日:月曜日、1/7〜1週間、8月3週間




手前がオレンジ風味のラビオリ!クリーミーなソースは当然甘い訳ではなく、オレンジの皮の爽やかな香りがとても良く合っています。ラビオリの中に入っているのは、さっぱりとしたリコッタチーズ。パスタの国イタリアならでは一品。

今回のイタリア旅行での発見は、↑のようなバターベースの手打ちパスタのおいしさ。バターが風味豊かなのに軽いためかとても美味しいのです。これは、ハムとキノコ、そしてレモンのパスタ。レモンの爽やかさがバターととてもよく合います!


イチゴの食前酒。
下にコンフィチュールが入っています。



● 発見!おいしいものファイル ●


ホテルの近くで入ったピッツェリアのパスタ!
これが魚介の風味たっぷりで、とってもおいしい!
なんと2日連続で食べてしまった思い出の味です。
(郊外だからか6.5ユーロと値段も安めです)

ホテルのあるE.U.R.FERMI駅は1942年にムッソリーニがローマ万博のために建設した新しい町。たくさんの人が暮らしているようです。高級住宅街なのか、ホテルからは写真のように、オレンジなどの木々や小道、プールなどのある大きなお屋敷がみえました








上と同じお店のパスタ。
グリーンピースとひき肉の入った
クリームソースのスパゲティ。
街とはひと味違う、庶民的な味がおいしい!




左と同じお店。
トマトとモッツアレラチーズのパスタ。
写真だけ見ると焼きそばのようですが、
この飾らなさも魅力。
かなりのボリュームですが、現地の方たちは
更に前菜やメインをオーダー!さすがです




←マーブル模様の食パンを使ったサンドイッチ。中には、イタリアで良く見かけるアーティチョークの酢漬けとゆで卵が入っています



スーパーで購入したバター。
白に近い色合いで、ミルクそのもののような爽やかな風味。軽い酸味と後味は、日本とは違ったおいしさ!
ちなみに、日本でも手に入れたい!と、かなりたくさんの会社に問合せをしましたが残念ながら取り扱いはないようです。本当に残念!!



ホテルの近くにあるバールで購入。
郊外だからか、このボリュームで
1個約1.5ユーロととてもリーズナブル!




ローマ・テルミニ駅近くの
トラットリアにて。
期待していなかった割
には、満足のいく味でした。
パスタも手打ちで、こしのある太目の麺です




左と同じお店にて。
ソーセージとグリンピースのトマトソースパスタ


短い間でしたが、イタリアの食生活を体験して感じたのは、とにかく料理や技法が昔から変わらないということ。フランス料理の基礎となったといわれるイタリア料理ですが、イタリア料理はそれに比べ保守的な印象を受けます。
とかく日本では、新しい技や素材に目を奪われがちですが、小難しい技や複雑な素材の組み合わせなんて面倒なことはイタリアでは抜き!天からの恵みである素材そのもののおいしさを楽しもう、そんな思いが溢れているのです。

イタリアへの旅行、そこにはショッピングやグルメでは語りつくせないものが脈々と流れています。食べること、そして人間が生きていくことの本来の意味がそのまま息づいているような気がしました。
人間本来の欲望に従い、食べ、楽しむこと。何よりも人生を楽しむことを大切にする、そんなエッセンスをイタリアから受けた素晴らしい旅になりました。
Grazie! Italia !