今回のパリの「サロン・デュ・ショコラ」は、「プロフェッショナル」としては、2回目の開催となります。通常のサロンドショコラの内容に加えて、プロ用の食材や、包材、チョコレートの素材メーカーのブース、約400店が出展。プロ向けの素材ですが、一般のチョコレート愛好家たちも興味津々な様子。チュアオ産のチョコレートや、エクアドルやマダガスカルなど、産地のブースにも人だかりができていました。昨今の素材ブームで、チョコレート愛好家たちのレベルが、プロフェッショナルのレベルにまで、近づいてきているからでしょうか。
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ショコラトリーやチョコレートメーカーの各ブースも、今年の新製品を発表し、職人自らが店頭に立ち、熱心にチョコレートを語る姿があちこちで見られました。 日本を代表する老舗のチョコレートメーカー「メリー社」では、今年は「TOKYO CHOCOLAT」というブランドを披露。山椒や柚子、抹茶などを程よく使い、日本のチョコレートらしい、繊細な味わいのボンボンショコラが並びます。日本のサダハル・アオキ氏とともに、今回のサロン・デュ・ショコラの国際優秀賞を獲得しました。 |
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日本のチョコレートメーカーも注目を集めています。メリーチョコレートでは、「TOKYOショコラ」がこのサロン・デュ・ショコラでデビュー。山椒や柚子、抹茶など、日本由来の風味に、フランス人たちも興味津々! オペラをテーマにした、まるでプチフールのような「Opera de Tokyo」は、デザインに凝った、全く新しいボンボンショコラのスタイルといえそう
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「メゾン・デュ・ショコラ」のブースでは、ショコラティエのジル・マルシャル氏がファッションショーのほか、自らのブースに立つ姿も。ショコラティエが身近に感じられ、直接お話を伺えるのも、サロンのいいところ
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パリ6区にある「ジャン・シャルル・ロシュー」のチョコレート・ピエス。サロンの「オペラ」のテーマにちなんで、天使たちが音楽を奏でるかわいらしい雰囲気に仕上がっています
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フランスは南東部、ロアンヌの「フランソワ・プラリュ」の新作は、チョコレートフォンデュ用のショコラ。レンジにかけて溶かして、フルーツやマシュマロなどをつけて手軽に楽しめます。陶器は地元・ロアンヌで発注したというこだわりの品
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おなじみプラリュの厳選チョコレートタブレット。マダガスカルなどのカカオ農家と直接契約し、カカオの焙煎からチョコレート作りに携わるフランス国内でも数少ないショコラティエのひとつ。色とりどりの紙につつまれたチョコレートがピラミッド型に詰まれた姿は、もうサロンではおなじみの光景に
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近年、チョコレート業界で、一番注目されているベネズエラ産のチョコレート「チュアオ」。「クリオロ種の中でも希少とされ、チョコレートの「ロマネコンティ」と呼ばれるほど、その香りと味わいは深く、赤い実のような酸味があり、シガーのような芳香と苦味、そして切れのよさが特徴です」と、プラリュ広報のヴァレリーさん
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ステファン・ボナー氏。今年は、パリ・ヴァンドームのお茶専門店NINA'Sとコラボレートし、パリでも彼のボンボンショコラを買うことができるようになりました
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ベルギーのショコラティエ、ピエール・マルコリーニ氏。マカロンをあしらった大きなショコラのピエスが印象的 | |
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以前のボンボンショコラより、やや腰高で詰まった印象になったボンボンショコラ。どのコレクションも香りにこだわったチョコレートと、スパイス使いが絶妙なものが今回の特徴のようです。「Palet fins」シリーズは、氏がひらめいたスパイスとチョコレートの組み合わせをそれぞれ再現。薄いパレットですが、その味わいは深く、豊かなもの
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また、チョコレートの世界大会「ワールド チョコレート マスターズ2009」の決戦が、サロンの期間中に開催されていたのも見逃せないイベント。 このチョコレートの大会は、隔年開催され、世界各国から選ばれたショコラティエが、チョコレートのピエスモンテとチョコレート細工の帽子、ボンボンショコラ2種、アントルメ ショコラ、そして皿盛りデザートといったテーマで、トータル11時間半、全てチョコレートを使って制作し、世界一のショコラティエを決めるといったもの。参加した国は総勢14カ国。 今回のテーマは「オートクチュール」。華々しい素敵なデザインのチョコレートピエスや帽子が、厳しい時間制限や審査のなか、つぎつぎと製作される姿は圧巻です。採点後は、帽子やピエスモンテの作品はそのまま、会場に展示され、間近に見ることができます。そして、今年は日本代表の、グランド ハイアット 東京のペストリー副料理長 平井茂雄氏が、見事優勝。「ワールド チョコレート マスターズ2009」の称号を獲得しました。さらに「ベストチョコレート ピエスモンテ芸術賞」と「ベストプレス賞」もあわせて受賞するという快挙に!2007年の日本の優勝につづき、2回連続の日本優勝で、日本のショコラティエのクオリティの高さを世界に知らしめる機会となりました。 |
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「ワールドチョコレートマスターズ2009」の課題のひとつ、“オートクチュール”の帽子。布のテクスチャーまで細部にわたって、チョコレートで表現した作品は、美術品のよう
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各ブースでは、真剣な面持ちで、熱心に腕をふるうショコラティエの姿が。それぞれのブースを間近でみることが可能です
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今回優勝を果たしたグランド ハイアット 東京のペストリー副料理長 平井 茂雄氏
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ショコラのケーキを試食中の審査員達。出場14カ国からそれぞれ選ばれた、権威あるショコラティエたちが厳しく採点をします
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ショコラのピエスモンテ。帽子や衣装をモチーフにしたピエスモンテは、一般ブースに再度展示。道行く人々が思わず足を止めて見とれてしまう美しさです
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そのほかにも、チョコレートのデモンストレーションには、名だたるショコラティエやレストランのパティシエが、実際にチョコレートのお菓子を作る姿や、1時間おきに行われる、チョコレートを様々な切り口でとらえた講演会などがもりだくさん。
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会場奥のデモンストレーションのスペースでは、毎日6-8組のチョコレートを使ったデモンストレーションが。レストランやショコラトリーの最前線のルセットが、実際に試食もできることもあって、毎回、会場は満員に。写真は、三ツ星のレストラン「ル・ルレ・ベルナルド・ロワゾー」のシェフパティシエ、ベノワ・シャーレ氏のデモンストレーション |
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「24カラット」と名づけられたデセールは、ココア風味のパートシュクレをごくごく薄く焼いたタルトショコラを、デザートとしてグラスにしたルセット。ムースやチョコレートのジュレ、ガナッシュで構成された繊細な一品です
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どこをとってもチョコレート尽くしだった6日間。15万人近くの来場者を記録したパリを皮切りに、NY,そして1月末からの上海・日本。2月中旬の南仏マルセイユ、4月のエジプトのカイロ、10月のモスクワ・・・と、まさに1年かけてじっくりと世界じゅうで繰り広げられるチョコレートの祭典。ぜひ、今月末に開催される、日本のサロン・デュ・ショコラに、足を運んでみてください!
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◆サロン・デュ・ショコラ 伊勢丹新宿店 ( http://www.isetan.co.jp/sdc )
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