憧れの「ラ・メゾン・デュ・ビスキュイ」で買い物


食べたことのある人なら、大きく首を縦に振ってくれると思う。「ラ・メゾン・デュ・ビスキュイ」のビスキュイは、バターたっぷりで本当においしい。フランスにいればネットで買えるとの情報もあるが、パリでも購入できる店舗というのもない。つまり、日本で手に入れることはほとんど不可能なのだ。大きな箱に何十枚も入っていて、嬉しい半面、かさばるという難点も。荷物の隙間に入れる、なんていうことはできないのである。果たして日本まで何箱持って帰れるかというのがわたしたちの最大の問題だった。
「ラ・メゾン・デュ・ビスキュイ」の最寄駅で、フランス語のできる、在パリの伊藤嬢と合流。言うまでもなく彼女も「ラ・メゾン・デュ・ビスキュイ」の大ファン。
さて、到着した店は、なんと大工事中であった。一瞬みんなひやっとしたが、幸い営業中でほっと一息。


もしかして休業中?! と、一瞬ひやりとした「ラ・メゾン・デュ・ビスキュイ」。新しい建物が出来るそう。周囲に店らしき店もなく、ここを目指してくる人ばかり


ドアを開けてすぐが喫茶コーナーになっており、その奥でクッキーが売られている。他に、ジャムやお酒などもたくさんおいてあり、食のセレクトショップのようになっていた。新種品を含めたクッキーの試食もあって思わず全種類に手が伸びてしまう!



店内で試食のクッキーを食べながらはしゃいでいたら、オーナーのマーク氏が出てきてくれるという嬉しいサプライズが。さらには、
「これはとても珍しいことなんですけどネ」
といいながら、アトリエを見せてくれたのである。


従業員のおばさん達が手作業でクッキーを箱に詰めている。
「床がとても滑るので注意して」
との言葉通り、滑ること滑ること! 階段なんて、油断したらあっという間に転びそうで、まさにクッキーに含まれるバターの量を物語っているかのようだった



アトリエ見学のあとは、大きな買い物かごを持っていざ買い物開始。あれやこれやと、ものすごい量のビスケットを購入した。まさに両手に荷物。車のトランクに積めなくなりそうなほどだ。そして帰りの飛行機に持ち込めるだろうかと薄々心配しながらも、今ここで買わなくては、今度いつ買えるかわからないのである。荷物なんてどうにかなるさ。持てるだけ買おうじゃないか。


店内にて、マーク氏を囲んでの記念撮影。自らすすんでクッキーの新商品の箱を手にしてくれた。イズニーのバターを使ったキャラメル入りのクッキーが今回の新商品のひとつ


ハイテンションに買い物をしながら、ふと気づけば、そのテンションに乗りきれていない人が一人いた。マダムまゆみである。なんとも浮かない顔をしている。どうしたのか。
「なんだかおなかが痛いの」
え?
「右の下っぱら。盲腸のあたり」
えええ?
おなかを押さえて腰を曲げ、かなりつらそうなのである。
困ったことになった。とりあえず、この日の宿「ル・マスカレ」を目指し、早くベッドに横になりましょうとしか、言えることはない。「ル・マスカレ」は、ひとつ星のオーベルジュ。ここでの宿泊と食事は、今回大いに楽しみにしていたことのひとつでもある。なんとか暗くならないうちに到着したいものだ。買い物を堪能した「ラ・メゾン・デュ・ビスキュイ」をあとに、ムッシュ三宅は車を飛ばす。ここでは言えないほどのスピードで走った。メーターを見ていた伊藤嬢が、まつ毛ぱっちりの大きな目をさらに見開いて、その速度に驚いていた。


借りた車、プジョーのトランクの中。白い包みはすべてメゾンドビスキュイで買い物したもの。その量たるやすごいっ