最終日にまたまた事件。火事?


最終日。朝の天気は今一つだったが、考えてみれば、ここまでほとんど雨が降らなかったのが奇跡というべきなのかもしれない。
さて、朝食の席には、昨晩、荷物の整理をしながらムッシュ三宅が炊いてくれたという、キャラメルがあったのだ! フランスの素材で作ったキャラメルのおいしかったことといったらない。
「もうちょっと時間があったら、ケーキも焼けたんだけど」
それは残念。次回はよろしくお願いいたします!

荷物を詰めたダンボールを郵便局に運んだあと、でムッシュ三宅とマダムまゆみは、「ストレー」という、ババで有名な店に行くという。3種類ものババがあり、それを是非食べ比べてくるという。ユカコとわたしは、ラデュレに向かった。ランチで合流するまで、二組に分かれての行動だ。
ついたラデュレでユカコは、この滞在期間中に一度も食べることができなかったという、アイスクリームをオーダーし、堪能していた。生クリームもたっぷり添えられているのだが、さらにシャンティーを追加していた。よっぽど食べたかったのだろう。
わたしは、焼きたてのクロワッサンとパンオショコラを、独り占めした。ラデュレには、珍しいパン・ド・ミのサンドイッチが売られていて、店を出るときサーモン入りのこれを買った。しかも3口ほどで終わるほど小さいサンドイッチは、ひときれで500円近くする。相当いいお値段である。歩きながら、あっという間に食べ終えてしまったが、すこぶる満足だった。


ストレーに3種類あるババのなかのひとつ。お酒たっぷり


ラデュレのイスパハンのアイスクリーム。バラの香り。生クリームがこんなにたっぷりなのに、ユカコはこれ以外に、ただ泡立てただけの生クリームまでオーダー!


可愛いスティック状のラデュレのバターは、ひそかに、出発前からチェックしたいと思っていたもの。1ユーロちょっとでオーダーできる。確かにおいしい。手に入りにくいブランドのものだという話だが、真相は不明。店での販売もない


そのあとはひたすら歩いてエネルギーを消費し、待ち合わせ場所であり、ランチスポットである「ブノワ」へ向かった。店に入る前に、目に付いたブーランジェリーで、バゲットのサンドイッチを買った。ハムとチーズ入り。そう、大好きなこれを、滞在期間中、結局一度も食べていなかったのである。日本まで密輸しようとは思わないが、空港あたりで食べることはできるだろう。

ブノワで印象的だったのは、デザートのババだ。なんと、2種類のラムを瓶ごと持ってきてくれて、好きなだけかけていいという。一つはフルーティーで軽やかなラム。もうひとつはやや熟成感のあるラム。調子にのってかけすぎて、酔っ払いかけてしまった。


可愛い店構えのブノワは、日本でいったことのある人も多いかも。食後のデザート、ババはボトル2本が添えられてくる。ちなみに、隣のテーブルにいたオジサマ4人組もみんなでこれをオーダーしていた。どぼどぼラムをかけて食べていた


食事を終え、最後の買い物をし、夕方に空港に向かった。車の中は、信じられないくらいの荷物である。後ろのトランクには窓が見えないくらい荷物が積まれ、後部座席の一番右端にも、同様に、窓が見えないところまで荷物が積まれている。
「お巡りさんにつかまりそうだね…」
なんて話していたら、案の定、つかまってしまったのだから驚いた。
「*△○×▼◎▽*%・・・」
フランス語で何かを言っているが、よくわからない。車の後ろのトランクを開けさせられたけれど、どうやら荷物の積みすぎでつかまったわけでもない様子だ。Fire、と言っていたから、近くで火事でもあったのだろうか? 結局最後まで分からなかったが、トランクの中に入っていた非常用のベストを着ろと言っているみたいでもあったが、それもかなり唐突で、不思議な話だ。どうにか切り抜け、というか、そのうち向こうも諦めて、その場を離れることが許された。
と、今度は凱旋門の周辺道路が、これまた何か事件があったようで、信じられないほどの渋滞。あわや飛行機に乗り遅れるか、というところで、やっと周りの車が動き出して、事なきを得た。まったく、最後の最後でこんなトラブルが起こるとは、旅は最後まで気が抜けないものだとつくづく思った。