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取材・文 佐々木 千恵美 |
テーマとストーリー性に魅了される帝国ホテル 東京のアフタヌーンティー。 今回は9月と10月の2か月間、「英国フェア」と連動し、「イングリッシュガーデン」と「アンティーク」をテーマに、古くから英国の人々にとって大事にされ、受け継がれてきた英国の2つの文化をアフタヌーンティーで表現するという。 夏にはリサとガスパールの物語を描いたティースタンドが、今度はどんな「イングリッシュガーデン」となって楽しませてくれるのか、アフタヌーンティー会場である「インペリアルラウンジ アクア」に、心弾ませ伺ってきました。 *前回の「リサとガスパール 帝国ホテルにやってくる!」 http://www.panaderia.co.jp/event_report/gaspard_et_lisa/index.html 日比谷公園前の帝国ホテル 東京本館に入ると、正面ロビーには素敵なショーガーデンが目に留まります。こちらはチェルシーフラワーショーのメダリスト ケイ山田氏による「トピアリーガーデン」。切り花ではなく、根付き植物の組み合わせを室内に展示する画期的なプレゼンテーションで、ロンドンではパブリックな場所でトレンドになっているのだそうです。 |
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ケイ山田氏によるショーガーデン「トピアリーガーデン」 ※展示期間は9月1日(水)〜9月30日(木)現在は終了いたしました。 |
ロビーのショーガーデンを鑑賞した後は、奥に進んでエレベーターホールへ。目指すは本館17階にあるバーラウンジ「インペリアルラウンジ アクア」です。
案内されたのは長い回廊の先の窓際テーブル。眼下に日比谷公園や皇居外など、都心にあって緑の多いパノラマは、イングリッシュガーデンというテーマを盛り上げてくれます。ラウンジ内には、英国式寄せ植えと貴重な英国のアンティーク食器、茶器、絵画も特別に展示されているのでアフタヌーンティーの前後にご覧になってみてください。 |
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アフタヌーンティーが誕生したヴィクトリア時代の華やかな銀器やティーセットが、回廊周辺に多数展示されている。当時の貴族のティータイムに想いを馳せてみては。 |
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インペリアルラウンジ アクアを彩る英国式寄せ植えのひとつ。 |
様々な演出で気持ちも整ったところで、ウエルカムティー「ウェッジウッド オリジナル」が供されました。アッサム茶とケニア茶がブレンドされたウェッジウッドを代表する至極の一杯にリラックス。 アフタヌーンティーのドリンクメニューには、英国紅茶に加えフレーバー、ハーブティー、カフェインレスティーなどお茶だけでも22種類。コーヒーも6種類あり、時間内であれば違う種類のおかわりをお願いすることもできます。種類豊富なので目移りしてしまいそう! |
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あの磁器ブランドの「ウェッジウッド オリジナル」のウエルカムティーで喉を潤して。 |
そうこうしているうちに、おいしそうな香りが漂ってきました。3段のティースタンド、そしてトップに作られた小さな英国庭園のお目見えです。 2名分で円形となるお庭の土台はサブレとピスタチオムース、抹茶でできた “芝生”に3種類のミニスイーツ〜タータンチェックの「マカロン ローズ」、ユニオンジャックをレモンの断面で表した「ジンジャーレモンとチャイのムース」、マロンクリームを挟んで銀箔を貼り、貴族の館の象徴である鏡に見立てた「マロン ミラー」。チョコレートの柵で囲まれた真ん中を紅茶のシフォンケーキで出来た小径が通ります。ベリーやエディブルフラワーが、さらに庭園の雰囲気を創り出し、思わず声に出たのは ‘食べるのが勿体ない!’ |
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“イングリッシュガーデン” アフタヌーンティー(画像は2名分) 上段はデセール、中段、下段にはサンドイッチやコテージパイ、スコーンなど、英国伝統のレシピをアレンジしたモダンなセイボリーが並ぶ。 |
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抹茶とピスタチオムースでできた “芝生” は、茶葉の香りもすがすがしくサクサク。どうやって組み立てるのか目を丸くして眺めていた柵のチョコレートもしっかり風味がして美味しい。
◆マカロン ローズ ![]() ライチとフランボワーズのコンフィチュールとバラのクリームを挟んだタータンチェック柄のマカロンは、片方のコックを半分にカットしてお花が咲くような見せ方にうっとり。手でつまんで口に入れた途端ほろりと崩れ、バラの華やかな香りが広がり幸せを感じました。 ◆ジンジャーレモンとチャイのムース ![]() 四角いフォルムがユニークな、レモンのムース。中にレモンと生姜のコンフィチュールがひそみ、チャイのスパイスが豊かに香ります。温かい地で育つ柑橘は、その昔英国では貴重だったことから、贅沢な味に想いを馳せながらいただきました。 ◆マロン ミラー ![]() 輝く鏡を表現したマロンクリーム&カシスジャムをサンドしたクッキーの後ろには支えまでセットされています。細部へのこだわりにドキッとされられます。 |
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中段:セイボリー2種とスコーン2種類(画像は2名分) こちらもフレッシュハーブのグリーンやエディブルフラワーが散りばめられ、お皿の上の庭園散策が楽しめます。 |
◆牛肉とポテトのコテージパイ
![]() 英国伝統の家庭料理コテージパイが帝国ホテルにかかるとこんなしゃれた一品に。特製ボロネーズソースとナツメグ香るポテトピューレを重ね、トップをミモザ風にしたタルトは、お茶もいいですがビールが飲みたくなるおいしさ。 ◆スコティッシュスモークサーモンを華やかに ![]() スコティッシュスモークサーモンに小玉ねぎのピクルス、サワークリーム、レモンのジュレの酸味が爽やか。 ◆スコーン ![]() プレーン(蓼科高原 バラクライングリッシュガーデン特製スコーン) アールグレイ ※イチゴジャム・ハチミツ・クロテッドクリームを添え。 ![]() 英国アフタヌーンティーに欠かせないスコーンに、今回はロビーのトピアリーガーデンを手掛けたケイ山田氏がオーナーである蓼科高原 バラクライングリッシュガーデンの特製レシピを採用しています。やわらかで上品なスコーンの味をお楽しみください |
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下段:セイボリー3種(画像は2名分) 英国らしい食材、料理をスタイリッシュでサプライズな味わいに仕上げてある。 |
◆キャロットケークサレ スティルトンチーズのクリーム
![]() ニンジン本来の甘味にスパイスを効かせたケークサレ(塩味のケーキ)。トップにほんの少し絞った英国のブルーチーズであるスティルトンのクリームと2色の人参のラぺの、サクっとした食感がアクセント。 ◆和牛バラ肉のビール煮込み ヨークシャプディングにのせて ![]() 英国でローストビーフなど肉料理の付け合わせに定番のヨークシャプディングに、和牛バラ肉のビール煮をのせた一品。脂がのってこくがあるのにしつこくなく、とろけるような贅沢な煮込みが、シュー生地を思わせるヨークシャプディングと好相性。 ◆ローストビーフ/キュウリ/チェダーチーズのイングリッシュマフィン ![]() ホテルのベーカリーで焼き上げたふわふわのイングリッシュマフィンで、ローストビーフ、キュウリ、チェダーチーズなどをサンドし、バーガースタイルにまとめました。マフィン表面のコーングリッツの香ばしさ、生地の柔らかさ、しゃきしゃきとしたキュウリの食感が、ローストビーフの肉感とバランスが良く、おかわりしたいほど。 |
ひとつひとつの作り込みが丁寧で、見た目にも味わいにも空間にも物語性があって、日ごろのストレスを忘れさせてくれるよう。イングリッシュガーデンを散策するような癒しの旅、夢のようなひとときでした。
「今、できるすべてのことを注いでいます」と、英国フェアのアフタヌーンティーを監修した帝国ホテル第14代東京料理長の杉本 雄氏。 ホテルのパティスリー、ベーカリー、ショコラティエ、キュイジニエ、ティーの専門家、サービス、企画、コラボレーションの総力がこのアフタヌーンティーに集結しているのですね。 |
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第14代東京料理長 杉本 雄氏の英国アフタヌーンティーに込めた思い
![]() 企画にあたり、“イングリッシュガーデン” の専門家であるケイ山田氏と、“ヴィクトリア朝のアンティーク” の専門家である穐葉氏に直接お話を伺い、アフタヌーンティーを創作いたしました。「“イングリッシュガーデン” アフタヌーンティー」は、癒しを大切にするイングリッシュガーデンの世界観に合わせ、香りや見た目もお楽しみいただきたいと思い、お皿一面に敷いた抹茶とピスタチオの“芝生”の緑の上に色鮮やかなスイーツをのせて、フローラルなテイストで仕上げました。 また、「ヴィクトリア朝アンティークで楽しむアフタヌーンティー with バトラー」では、アンティーク銀器が使われていた時代のスタイルは手でつまんで食べる焼菓子がメインだったことから、片手でも気軽にお召し上がりいただける料理をご用意いたします。アンティークの茶器や銀器を実際に触れて楽しみながら味わっていただきたいです。 |
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![]() ※「ヴィクトリア朝アンティークで楽しむアフタヌーンティー with バトラー」は、すでに各日満席となっていますが、一部日程のキャンセル待ちのみ受け付けているとのことです。詳細はお電話にてお問合せください。 |
イングリッシュガーデンのアフタヌーンティーは、10月31日までの毎日11時30分〜17時(L.O.)で開催しています。ご家族、お友達同士、お一人さまでも、ティースタンドの英国庭園を囲んで、秋のゆったりした時間を過ごしてはいかがでしょうか。
詳細、予約状況などは帝国ホテル 東京のwebサイトをご参照ください。 |
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