「カメリア」や「バイオレット」などの小麦粉でお馴染みの日清製粉。ブースの前には何やら気になる人だかりが・・・。な、なんと、あのエリック・カイザー氏がオーブンの前で微笑んでいるではありませんか!

「今日はフランスのトラディショナルなパンを披露しましょう」

エリック・カイザー氏といえば、ルヴァン種を手軽に管理できる機械「フェルメント・ルヴァン」を開発したことで一躍有名になったブーランジェ。パンの世界ではカリスマ的存在なのです。そのカイザー氏が日清製粉とのコラボレーションで「メゾンカイザートラディショナル」という小麦粉をプロデュース。“パン製造に最適な粉”ということですが、いったいどんなものなのでしょうか。

天然酵母パンのための心強い味方、フェルメント・ルヴァン

これが「メゾンカイザートラディショナル」


「フランスの伝統的なパンは、独特の香ばしさがあって味わい深いもの。そんなおいしさを日本でも再現することができたらという想いからこの粉が生まれました。誕生したのは2年ほど前ですが、今回リニューアルしてよりおいしく、より使いやすくなったんです。この粉とルヴァン液種があれば、熟練工でなくてもおいしいパンができますよ」

粉についてのレクチャーを進めながら捏ね上がった生地の成形を行うカイザー氏。その手さばきの見事なこと!ほんの一瞬の出来事だから目が離せません。続けてホイロから出てきたバゲット生地にささっとクープを入れてオーブンへ。

「さあ、それではオーブンの中を見ていてください。これはとても窯伸びが良い生地なんですよ」

オーブンの中で見る見る膨らんでいきます

メゾンカイザートラディショナルでリュスティックやクロワッサンだって作れます


しばらくすると、平らだった生地が勢い良く窯伸びし、クープが元気良く開いたバゲットからは力強い香りがぷんぷん漂ってきます。このバゲットを縦にカットしてみると、驚くほどたくさんの不規則な気泡が!これがおいしさの秘訣なのです。

「断面を見ると、蜂の巣のような、大小さまざまの気泡ができています。そしてクラムはクリームがかっていて、しっとり艶々。しかも香り高いから食べたくなるでしょう?これが、おいしいパンの証。さあ、食べてみてください」

確かに、濃厚な旨みと、バリバリ、もっちりとした食感はインパクト大。ついつい食べ進めてしまいます。このおいしさも、ひとえに「メゾンカイザートラディショナル」の成せる業。“おいしいパンはいい粉があれば簡単な方法でできる”なんてカイザー氏の言葉を聞いてしまったら、やっぱり試してみるしかない?!