第1回:国産小麦
第3回:ライ麦のパン

〈作るパン〉
・ノワレザン
・山型食パン



応用コース2回目のテーマは、天然酵母です。
基本のパンが作れるようになったら、やっぱり挑戦してみたくなるのが自家製の天然酵母。手間や時間がかかる上、保存や見極めなども難しい天然酵母ですが、頑張って作れば、その分愛着が沸くというものです。
フルーツや小麦など様々なもので酵母を作ることができますが、今回使うのは、安定した発酵力と味が魅力のレーズン酵母。さて、どんなパンが出来上がるでしょうか?



「今回紹介するのは、レーズン種です。まず、レーズンとハチミツ、水でレーズン液を作り、そこに国産のライ麦と石臼挽き粉を加えて作っていきます」
フルーツの皮はもちろんですが、ライ麦や小麦の外皮にも有用菌が多くついているため、発酵力が強いそうです。



「レーズン種を元に、1番種→2番種→3番種まで作るので、時間はかかりますがそれほど難しくはありませんよ」
森先生が事前に作ってきてくれた酵母に生徒の皆さんも興味津々!


一番種の作り方。レーズン、ハチミツ、水で起こした「レーズン液」と粉を混ぜ、一番種にします。



2番種以降は、種全量と粉、水をミキシングしていきます。手順は簡単なのですが、毎日パンのことを考えていないとできない作業。愛情が必要です!



手前は基本の「レーズン液」。この液が出来るまでに1週間ほどかかるので、やはりなかなか気の長い作業です。酵母は生き物なので、温度や室内の環境にも敏感。愛情を込めて育ててあげましょう!



レーズン液、国産小麦(香麦)、ハチミツで作った“発酵種”を使用した山型食パンの生地。非常に透明感があって、みずみずしい状態です。



ベタベタと手につく食パン生地は扱いが難しそう。生地を折りたたむだけとはいえ、パンチも一苦労です。



・・・と思っていたら、パンチ後はこんなにキレイな状態になりました。さすがは森先生ですね!



ノワレザンに使うのは、時間をかけて作った3番種。フランス粉「モンブラン」を主体に、全粒粉(粗挽き)、ライ麦(粗挽き)を加えた配合に30%加えます。カレンツとクルミを最後に混ぜ込みミキシング終了。



成形のポイントは、生地を張らせること。形は違いますが、バゲットの成形と同様です。それにしても、先生の素早い手つきを見ていると、なんだか簡単そうに見えるから不思議です。



森先生の丁寧な指導のおかげで、美しい形のノワレザンができました。皆さん、素晴らしい!



最後はクープを入れて、窯へ。どんなふうに焼きあがるか、楽しみです。



見て下さい!パン屋さん顔負けの美しいパンが焼きあがりました。
焼き色といい、表情といい、これはもう売り物にしてもいいですよね? しかも、イーストを一切使っていないなんて、ちょっと感動です。




今回作ったパン


ノワレザン



元となる自家製酵母によって、味や食感が決まるといってもいい天然酵母パンですが、これはイヤな酸味もなく、ボリューム感も適度。非常に食べやすい生地になっています。こんなにおいしいパンが作れるのなら、ちょっと手間のかかる自家製酵母作りも苦にならないですね。


山型食パン


“発酵種”を使用した山型食パン。非常にシンプルな配合ながら、レーズン種がかもし出す爽やかな香りが広がり、味わい深い味わいに。イーストのようなボリューム感はありませんが、もちっと重量感があり、クセになるおいしさです。




天然酵母だから良いというわけではありませんが、手間と時間をかけて作った酵母が生み出す味は、やはり深みがあっておいしい。レーズン以外に、生の巨峰やリンゴなどでも簡単に酵母を起こすことができるので、ぜひトライしてほしいと思います!


パナデリアでも巨峰の酵母を作ってみました!





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