第2 リッチな生地へ
第3回 ハード系生地へ

〈作るパン〉
・食パン生地とそのアレンジ
・ロールパン生地とそのアレンジ



春は、新しいサイクルにスイッチが入る季節。今年もパナデリア石窯パン教室の基礎コースがスタートしました!
7年目を迎える今回の講師は、石窯パン教室の初代講師を務めた、加藤晃さん。加藤先生は、その技術をいかし、開業を目指すパン職人を育て、プロの指導に当るほか、中国やベトナムなどの新興国でパンの技術を教えるなど、職人の枠を超え、世界を股にかけて活躍されているベテランのパン職人です。

我らが加藤晃先生(右)とパナデリア主宰 三宅清(左)


まずは、食パン生地の仕込みからはじめます。
「レシピにある数字はベーカーズパーセントといって、粉を100%にした数字です。計量はしっかりすること。これを間違えたら台無しだからね。じゃあ、誰かこの生地を測って!」
加藤先生のレッスンは、とにかく実践ありき。黙っていては身につかない、ということでしょうか?

やや戸惑いながらも、しっかり計量。間違ったら大変ですよ〜


「今日は発酵種を使います。発酵種は、生地とは別に事前に仕込んでおいたもの。なくてもいいけど、味や食感に違いが出ますよ」
今回作る食パンのポイントは、この発酵種。20〜30%入れることで、味や食感に違いが生まれ、冷蔵庫で1週間〜10日置いても変わらぬおいしさが続くそうです。

生地がしっかり出来上がったのを確認し、油脂(バター)を投入。バターを入れた後のミキシングにも加藤流の技があります


「油脂を入れるとこれくらい薄く伸びるようになります。ほら、みんなも伸ばしてみて」

バターは7%と多くありませんが、向こうが透けるくらい薄く伸びるようになりました

生地をさわって覚えるのが加藤流!実際に自分で作るときの目安になります


室温で一次発酵を取ったら、指でチェック。粉をつけた指をグッと入れ、穴がすぐに閉じなければOKです。

もちろんチェックも全員で!

とにかく生地にさわること。丸めもこんなにたくさんやりました!


「定規と電卓はあるかな?」
ん?パン作りに定規?計算・・・?
「食パンの型の比容積を計算します。こうやって縦、横、奥行きを測って、計算すれば比容積が出る。この型だと、さぁいくつ?」
「えーと・・・。218.6です」
「そう。だから220〜230gにすれば、ちょうどいい量になる。山にしたいときは+10gにしてくださいね」
本に書いてある通りでもいいけれど、プロを目指すならこういう知識は絶対に必要。初回ということで、仕込み水の温度の出し方なども教えてもらいました。

計算方法さえわかれば、どんな型でも大丈夫!


「この生地でいくつかの成形をします。ひとつはツイスト。細長く伸ばしてひねっていく成形です」
長く伸ばした生地をコロコロ、とひねるだけの簡単な作業。・・・と思ったら、これがなかなか難しい!先生が手取り足取り、ツイストの特訓が始まりました。

先生の手さばきを見ていると、とっても簡単ですが・・・

「先生、私も!」と引っ張りだこの加藤先生。その成果があって、皆さん上手にツイストが出来るようになりました

角食パン用に型に入れた生地、だいぶ膨らんできました。おいしそう!


ロールパン生地では、基本のロールパン型のほか、惣菜系にもチャレンジ。これをランチにいただきます。楽しみですね!

まずは、基本の形をマスター

チリソースにナス、オニオン、ピーマン、ベーコン、チーズをトッピングした惣菜パン!この組合せ、絶対においしいはずです

こんなアレンジも!簡単そうで、意外に難しいんですよね

こんなにたくさんのパンが出来上がりました!どうです?なかなかの出来栄えでしょう?

ランチには、自分たちで作った焼立てのパンが登場!ブロッコリーのスープと一緒にいただきまーす




今回作ったパン


食パンとそのアレンジ

ほんのり甘みがあり、適度にリッチな食パン生地。フワフワしっとりとした食感で、毎日食べても飽きない王道のおいしさです。発酵種がポイント!講習では角食を、ランチには山形食パンを作りました。



ロールパンとそのアレンジ


「トッピングをする場合は、サク味やヒキの弱さが必要」ということで、強力粉に薄力粉を加えた配合。適度な歯切れのよさが楽しめます。これも発酵種入りで、しっとりもっちりとした食感に。


惣菜系


たっぷりトッピングすれば、リッチな一品が出来上がり!成形と乗せるアイテム次第で、グッと幅が広がります。



次回は、クロワッサン生地を教えていただきます! どうぞお楽しみに。






石窯パン教室トップに戻る