「ピッコリーノ」伊藤幹雄さんに教えていただく
ホシノ天然酵母を使用して作る、胡麻入り生地のパン

【材料】
小麦粉(ナンブ小麦粉)
塩(赤穂の天塩)
全卵
白胡麻(練り込み用)

生種
バター
500g
7.5g
30g
10g
225g
30g
25g
100%
1.5%
6%
2%
45%
6%
5%

【作り方】

<酵母の起こし方> ホシノ天然酵母 100g  お湯(30℃) 150g
@ 広口ビンを用意し、お湯を入れて温めておきます。一度お湯を捨て、30℃のお湯をビンに入れ、ホシノ天然酵母をその中に入れます。(元種:水=1:1.5)軽くかき混ぜて蓋を軽くおきます。きっちりとは閉めないで下さい。布をゴムで留めるだけでも良い

A 発泡スチロールの容器に入れ、熟成させます。寒い時期と暖かい時期とでは発酵の具合が変わり要する時間も変わってきます。
*発泡スチロールの容器に入れると温度変化の影響が少なく、作りやすい。熟成までに大切なことは保温で、酵母の温度は20〜30℃の範囲で保つのが好ましいのですが、特に温めたり冷やしたりして調節する必要はありません。

発酵時間の目安
平均気温20℃以下48〜72時間蓋をして密閉します。
平均気温20〜25℃24〜48時間蓋はしません。但し、室温が下がったときは蓋をします。
平均気温25〜28℃20〜36時間陽のあたらない風通しの良いところに置きます。
平均気温28℃以上16〜24時間陽のあたらない涼しいところに置きます。

見極めの目安
見た目・・ 気泡が消え、プクプクとはじける様子が確認でき、ツヤのあるトロトロとした液状になる。
味・・・・ 甘味がなくなり、渋味・酸味・辛味・エグ味が混ざり合って丸みのある味になります。香りも良く、旨味が出てきます

B 熟成したら冷蔵庫に入れて保存します。

冷蔵庫で保存するワケ
温度を下げることで発酵活動を鈍らせ、良い状態を長く保つことができます。しかし、この状態でもゆっくりと発酵は続いているので、保存している間に味は少しづつ変わってきます。

<生地の仕込み → 一次発酵>
@ ボールに温水(25℃位)を用意し、生種を加えて軽く混ぜます。別のボールに粉を入れ、塩と胡麻、軽く溶いた卵を加えます。



A 水分を加えます。水分と粉をなじませるようにしてかき混ぜ、全体をまとめます。ここでは水和させるだけで捏ねません。生地がまとまってきたらボールや手についた生地をきれいにとって台の上に出します。



B 生地をひとまとめに丸めたら、捏ねていきます。生地が乾かないよう、手早く行います。

捏ね方
片手づつ交互に転がすようにして捏ねます。生地に圧力をかけながら捏ねていきますが、この時それほど力は入れません。(約3キロぐらいの力)生地は回転させるようにして転がし、常に丸い状態を保つよう心がけましょう。転がす作業を休まず約20〜30分続けると、なめらかで柔かい生地になってきます。表面にもツヤが出てきます。生地をのばした時切れなければOK。

C バターを混ぜ込みます。

混ぜ込み方
バターを生地にくるみ、捏ねます。しばらくするとバターが出てきてベタつきますが、そのまま捏ねつづけると生地となじんできてなめらかになります。まとまったら転がすようにして生地を捏ねます。

捏ねあがり
しっとりと柔かく、ツヤのある状態になってきます。手で触ってみると少しベタつきます。生地を引っ張ってみて、切れずにすーっと伸びれば捏ねあがりです。





D 丸く形を整え、ボールに入れて乾燥しないようにビニールキャップ又はラップをし、発泡スチロールの容器に入れて一時発酵させます。25℃で約12〜16時間かかります。

一次発酵完了の目安
生地は約3〜4倍に膨らみます。透明の大きな筒状の容器があれば、それで発酵させるとよいでしょう。生地を入れた後、印をつけておくか、容器に目盛をつけておくとふくらみ具合がわかります。生地は、下のほうに大きい気泡があり、上に行くにつれてだんだんと小さな気泡になります。表面は平らです。このような状態になれば、発酵完了です。
ボールで行う場合は、生地の一部を円筒形の透明のカップ又は計量グラスに入れて同じ場所で発酵させると、生地の状態がわかります。





<分割・丸め>
@ 一次発酵させた生地をボールから台に出します。軽く丸め、スケッパーで200gに分割します。ベタつくときは手粉を使いましょう。


A 生地を手のひらで押して、ガスを抜きます。軽く広げたら、上の生地を真ん中位まで折ります。次に角を折っていくようにして一周すると丸い形になってきます。とじ目を小さく引き締めて丸く形を整えます。
台に置いたときに、形が崩れずしっかりと立っているような感じであれば、丸めができています。横から見て下が広がっているようではしっかりとできていません。


<最終発酵>

油を塗った天板に少し離して置き、発泡スチロールに入れて最終発酵させます。35℃位のところで40分〜1時間。

二次発酵(ホイロ)完了の目安
生地は約1.5〜2倍の大きさになります。指で軽く押してみて、ゆっくりと生地が戻るくらいであればOK。すぐ戻る場合は発酵不足、戻らない場合は発酵過多です。一次発酵の時と同様に一部を透明容器に入れて状態を見てもよいでしょう。



<焼成>

塗り卵(配合別)を塗り、良く切れるナイフで刃をすべらせるようにしてクープ(切れ目)を入れます。火どおりをよくするために、なるべく深く切ります。切り口が割れていくようであれば、良い生地です。200℃のオーブンで約10〜15分。焼き色がつけば焼き上がりです。



同じ生地を使って応用してみましょう!