文・写真 やぎあすか


  >>後半の旅、南イタリア編はこちら






CONTENTS
*目にもおいしいショウウインドウ
*ヨーグルトについて
*スーパーマーケットについて
*パンのこと
*お菓子あれこれ
*チーズについて
*チョコレート事情
*その他印象的な食べものたち
*レオニダス



ギリシャのチーズといえば羊乳からつくられるフェタ。日本ではオイル漬けで売られていることが多いのですが、ギリシャで出会ったものはフレッシュで強い塩気とコクがあり、目がさめるような味わいでした。
サガナキ:フェタチーズのオーブン焼き。かなり塩気が強く、食べ応えがあります。
ホリアティキ・サラダ:たっぷりのキャベツとトマト、そしてフェタチーズのダイス入りサラダ。オリーブオイル・塩・こしょうはテーブルに用意されているので、基本的には自分で味つけをします。(ちょうどタイ料理の食卓におけるナムプラーやお砂糖のように!) 3cm四方くらいの巨大なダイス状に切られたチーズが贅沢にごろごろと入っています。



チョコレートビスケット:さらさらしたココア生地にあっさりとしたココアクリーム。
桜もよう・トルテもようのパッケージ:桜風味とは?と気になって手にとった一品。銀紙を剥いてみると、砕いたアーモンドをちりばめたタブレットの姿が・・・ そう、これはアーモンドの花の絵柄だったのです!














イドラ島の、タバコとお酒とおじちゃんの匂いにあふれる地元のカフェニオンにて。コーヒー粉と砂糖にお水を注いで煮立てたもの。粉が沈むのをまって上澄みだけすすります。甘さも粉っぽさも、飲み始めはちょっぴりココアのようでおいしいのですが、最後、どこまでを飲みきればよいのかわかりにくく、むせかえりそうになります。
カップに残った粉で「コーヒー占い」ができることでも有名なのでトライしてみたかったのですが、カップの底に堆積した粉はあまりにも大量で、何かの示唆を見出すのは難しかったです・・。

チキン・お米の炒めもの・ポテト。・・・日本でいう、ごはん・お味噌汁・焼き鮭の組み合わせに相当するのでしょうか・・・とにかく毎日出会うことになったセット。この3種をいっぺんに調理するための、3つのスペースにくぎられたフライパンも売られていました。








羊の挽肉とチーズをたっぷり味わえる、ぎゅっと濃い味のムサカ。






葡萄の葉で作ったロールキャベツ。フィリングは羊の挽肉とお米だったり、魚のすり身だったりとさまざまです。お皿に敷かれているのは卵をつかったレモンソース。独特の酸味とコクは、今まで味わったことのないものでした。






巫女による神託、そしてアポロンの神域として有名なデルフィ遺跡。ここで前日に降った雪が一度溶けたことで、岩塩の結晶が採れました!なめてみると、ミネラル分たっぷりのおいしい塩の味。












  
日本でもつとに有名な、ベルギーのチョコレートメーカーですが、名前の由来はこのギリシャ人の将軍から。

レオニダス公式サイト:www.leonidas.jp/index.html



車窓から眺めた、オリーブやピスタチオの畑、豊かな松林、蕾がほんのりほころび始めたアーモンドの木々、”苦くてジャムにするしかない”と現地の人が語る、色鮮やかな柑橘類の街路樹。 オリーブは、オイルとしても実(葡萄のような粒の大きさで、とても濃い味!)としても常に食卓にあり、ピスタチオはお菓子のデコレーションとして、また特産地として有名なエギナ島ではオリーブオイルとレモンと塩による独特の味つけで供されます。
松脂で香りをつけたお酒、ウーゾやレツァーノもひろく愛されていますし、アーモンドは様々なかたちでお菓子に使われています。
ギリシャの特産品は、昔から土地の人々の生活を支え、かつ愉しませてきたものばかり。 この自然なスタンスがいいな、と思いました。



紀元前に建てられ、静かにその身に時を刻みつけ続けている遺跡群。歴史の現場を訪ねるたびに、その時間の重みと臨場感にもう、すべての感覚がしびれてしまって、その場ではなかなか感動や実感がわかずもどかしく思うことも。
そんなときでも”味覚”だけは別。いつでも私に寄り添い、助けてくれました。長いこと静かに受け継がれてきた味の数々を口にすると、身体の内側に光が生まれ、新鮮かつフラットな感覚が戻ってくるのです。
その瞬間の、遠い昔の生活者と繋がることができたという実感、これこそが今回の旅で味わった一番のごちそうでした。