参加者たちもすっかり"のこぎりがま"の取り扱いに慣れ、小麦色だった畑も少しずつ地面が見えるようになってきました。

のこぎりがまも何のその。
収穫作業までは快調に進みました!

でも、収穫が終わったからといってまだまだ安心は出来ません。実は、ここからが大変なのです。

袋には脱穀した麦粒がたくさん


「脱穀した麦粒の中に手を入れてみてください。少し温かいでしょう?これは麦の呼吸熱のためで、このまま置いておくと、"いきれる"といって蒸れた状態になってしまいます。収穫した段階では、約18%の水分を含んでいるのですが、出荷する際には12.5%まで乾燥させます。15%以上水分を含んでいるとカビの危険性がでてくるので、これは重要な作業です。ちなみに、稲の場合は約14.5%まで陰干しで乾燥させるのですが、麦の場合はすぐに乾燥場に運んで乾燥処理します」
刈り取り後2〜3時間中に乾燥を始めないと、せっかくの麦が"いきれて"しまうので、ここからは時間との勝負。そして、ここが生産者の悩みの種でもあるのです。

手を入れると、しっとりあたたか。
呼吸をしていることが肌を通じて実感できます

「麦を育てること自体は手がかからないんですが、収穫期には色々な作業が重なってくるんです。乾燥する場所までも片道1時間くらいかかるので、一日にできる量には限界がある。なかなか畑の範囲を広げるのは難しいですね」

意外に簡単だと思っていた麦の栽培ですが、こんなところにもハードルが。確かに、"明日雨が降る"という緊迫した状況下で、麦を刈りすぐに乾燥場に運ぶ・・・という作業を繰り返すのは、時間的にも無理がありそうです。





Panaderia HOME