取材で色々な場所にお邪魔しているパナデリアですが、フランス大使館に伺うのは初めて。お菓子とは密接な関係にあるフランス文化を垣間みることができるような気がして、この日を楽しみにしていました。当日はあいにくの雨でしたが、大使館の敷地内に植えられた沢山の桜は満開。厳重なチェックを受け館内に入ると、そこは日本の古い洋館のようなインテリア。決してベルサイユ宮殿を想像していた訳ではありませんが、想像以上に和の要素が取り入れられた雰囲気に、「これはフランスの日本に対する愛情表現なのかな?」と嬉しくなりました。
式開始直前の写真です。左が審査員を努めたシェフの方々。右が決勝に進んだ出場者の方々。出場者の緊張した雰囲気と、審査員の貫禄と余裕を兼ね備えた雰囲気の違いが印象的。でもこの出場者の中からも、いつか審査員のグループに入る人もでることでしょう。


いよいよ開会。まずはベルナール・ド・モンフェラン駐日フランス大使よりご挨拶。和菓子とフランス菓子の違いについて詳しく説明され、大使もかなりの食通なご様子。「私がこのような場を設け、日本代表チームを応援していることは、秘密にして頂きたい。」と軽いジョークをおっしゃる一幕も。そんな大使の一言に、会場の雰囲気も和んでいきます。
クープドモンドのメインスポンサーの一つであるヴァローナ・ジャポン社代表取締役のクリストフ・アンリ氏から、ご挨拶とクープドモンドについての説明がありました。詳しくは、「クープ・ド・モンドとは」のページをご覧下さい。


ここからが今日のメインイベント。日本代表チームの発表です。
それに先立ち、2005年度も日本チーム団長を務められる横田秀夫氏から、今回の審査に関するご報告がありました。

「回を重ねる毎にレベルが上がっていますが、今回はそれが最高潮に達したように思われます。特にA・B部門では上位レベルが接近し、一次審査で上位4名を決め、それから2次審査をして優勝を決める形をとりました。また、味の部分では明確にこれた一番と確信するものは無く、素晴らしい作品揃いでした。」

かつてご自身も選手として出場し、日本チーム団長は3回目の横田氏。誰よりもクープ・ド・モンドについてご存知な存在であることから、若い代表選手にとっては大きな支えとなることでしょう。

肝心の発表の瞬間。私達はドキドキと待ちましたが、既に結果を知っている選手達は意外と冷静でした。結果は次の通りです。(以下敬称略)


A部門 (飴のピエスとアントルメショコラ)
第一位 金子  浩 (グランドハイアット東京)
第二位 和泉 光一 (サロンドテ・スリジェ)
第三位 若林  繁 (ル・ショコラ・ド・アッシュ)

B部門 (チョコレートのピエスと皿盛りデザート)
第一位 栗本 佳夫 (名古屋マリオットアソシアホテル)
第二位 三橋 和也 (名古屋マリオットアソシアホテル)
第三位 鎌田 琢弥 (グランドハイアット東京)

C部門 (氷彫刻及びアントルメグラッセ)
第一位 櫻  智行 (名古屋マリオットアソシアホテル)
第二位 富岡 浩幸 (京都ホテルオークラ)
第三位 岡田 秀一 (横浜ロイヤルパークホテル)



代表者の発表が終わると会場中央の扉が開き、奥の部屋には代表者の作品が飾られていました。どれもとても繊細な作品、「どうやって運んだのですか?」と尋ねると、当日朝から作り直したとのこと。きっと大変だったのでしょうが、受賞の喜びでその疲れも吹き飛んでしまうのかもしれませんね。


A部門
(飴のピエスとアントルメショコラ)

グランドハイアット東京 
金子 浩


B部門
(チョコレートのピエスと皿盛りデザート)

名古屋マリオットアソシアホテル
栗本 佳夫


C部門
(氷彫刻及びアントルメグラッセ)

名古屋マリオットアソシアホテル
櫻 智行

パーティーが始まると、いつもパナデリアがお世話になっているシェフにご挨拶。これだけの大物シェフが集まる機会は本当に珍しく、シェフ同士が楽しく会話されている姿が印象的でした。
会場に用意されたプチフールはとても華やか。もちろん味のほうもばっちり!
メインスポンサーであるヴァローナ社のブースでは、自社製品を使ったお菓子が。アールグレイ風味のガナッシュと板チョコを挟んだマカロンが美味しかった。。
コアントローが描かれた絵、不思議な可愛いらしさに惹かれてしまいました。


今回の名古屋勢の活躍には目覚しいものがありました。今回の国内予選の取材は製菓業界紙など限られたメディアがほとんどだったなか、名古屋のテレビ局が積極的に取材をしていたのが気になりましたが、この結果を見て納得です。今回日本代表の座を得た名古屋マリオットアソシアホテルのお二人の上司は、前回出場し準優勝された松島義典シェフ。そんな松島シェフも、部下の受賞をとても喜んでいらっしゃいました。C部門代表の櫻智行氏にクープ・ド・モンド本選での抱負を伺ったところ、「(松島)シェフを超えたい!」の一言。2回連続で準優勝の日本チーム、目指すのはやはり”優勝”のようです。

クープ・ド・モンド本選は、2005年1月23・24日にフランスリヨンにて開催されます。吉報が届くのを期待しています。

こんな楽しい宴でしたが、あっという間にお開き。沢山のシェフにお会いできて、美味しいお菓子も食べられて・・・幸せなひと時でした。そして、何より新日本代表チームの活躍を楽しみにしています!


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